膝に溜まった水は抜かないほうが良いの?
院長ブログ
膝の水を何回も抜くと癖になると聞いたことのある方は多いかも知れませんね。
そもそも、膝関節に水が溜まるとはどういう事か?
ここでは出来るだけ専門的な言葉を省いて簡単に説明致します。もし詳しく知りたい方は
それないのWebにアクセスしてお調べ下さい。
関節を一つのつなぎ目、ジョイントと捉えて下さい。機械でもジョイント部分にはオイルやベアリングなど
摩擦を減らし滑らかさを担う補助的なものが存在します。
自転車でもギシギシ音が出るとその部分に潤滑剤やオイルを塗ると思いますが
これと同じような働きをするのが関節内の水と言われるものです。
ですから正常時にも関節内に水は存在します。
ところが関節内に何らかの炎症が起こり関節の滑らかさが損なわれると
先ほどの自転車と同じようにギシギシと摩擦がおきます。
すると脳から潤滑剤(水)が必要ですと命令され関節内の水の量を増やします。
ですから水は必要だから溜まっているので水だけ抜くのはあまり意味がありません。
整形外科ではヒアルロン酸の注射や痛み止めを抜いた後に打つようです。
それで炎症が治まれば水は必要無くなるので溜まらなくはなるでしょう。
ここで、それなら炎症は何故起きたのでしょうか?
若い人なら半月板や関節内の異常を治していけば水は溜まらなくなります。
高齢者だと加齢のせいにされてしまいますが本当でしょうか?
先ほど機械の話をしましたが関節に水が溜まるる理由は潤滑不全、
簡単には摩擦力が強くなったせいです。
以前にも軟骨の話をしましたが軟骨には栄養血管がないので膝の圧力
(上の骨の大腿骨と下の骨の脛骨が圧迫される力)
によって栄養を吸収します。
そしてその圧力によって関節内の潤滑は保たれます。
痛いからと言って膝を伸ばさないで歩いたり、安静にしすぎると回復が遅くなるだけでなく
炎症を繰り返し関節の可動域は狭まり
変形は進みます。
炎症を起こさない膝にしていくことがもっとも大事で、
そのために必要な筋力と柔軟性、正しい歩行や体重の乗せ方を学び歳を取っても痛まない
膝にして頂きたいです。
各自にあった歩行や運動をアドバイスさせて頂きますのでご相談ください。