筋肉って硬くないの?
院長ブログ
患者様と話して意外と多い反応が「硬い筋肉はいけないのですか?」です。
筋肉隆々のマッチョの姿を想像し力こぶに触るとカッチカッチであると表現されるので
筋肉は硬いほうが良いものと思っている方が多いようです。
しかし、力こぶなどは最大限に筋肉を収縮した状態ですから硬いのであって力を抜いた
弛緩した状態でカチンコチンであったら明らかにその筋肉の循環は悪く収縮力も
低下しています。
例えるなら太い硬いゴムの束ではあるが伸び縮みが少ないと思って貰えたら
イメージしやすいかも知れませんね。
筋肉の収縮は血液を全身に運ぶ補助役としての勤めもあります。収縮し難い筋肉より
柔軟性に富んだ筋肉の方がより適している事は容易に想像出来ると思います。
また、筋肉は太いほうが良いと腕や太ももなど太くなった事を喜んだり逆に太くならないからと
ガッカリする方もいますが目的を持たない筋肉の過剰な太さは返って人間本来の
動きを損なうことにもなります。
先日、引退をされました大リーガーのイチロー選手もかつては筋肉を鍛えシーズン前に
備えていたそうです。しかし開幕直後は成績も身体の動きも悪く後半から調子が
上がってきたそうです。
それは、開幕前の身体づくりで筋肉を鍛え太くした結果、身体のキレが悪くなり
試合が重なるごとに身体が痩せてきて返ってキレが出るようになったとインタビューに
応えていました。
ですからイチロー選手の肉体はかなりスマートに見えますが実にしなやかです。
無駄に筋肉を鍛えることをせずに使える身体を目指したからなのです。
しかし、各競技に適した身体づくりは必要なのでイチロー選手の身体がお手本とも
言い切れませんが、アスリートでない一般の方々なら柔らかくしなやかな筋肉を
目指して頂きたいと思います。