関節の痛み手術しないと取れないのか?
院長ブログ
膝関節、股関節の変形性関節症で病院で手術を勧められましたと
施術を希望されたり相談を受けたりすることが多々あります。
患者さんの話の中でよく聞かれるのは
「軟骨が擦り減っているから痛みが有るので
これ以上良くしようとするなら手術しかありません。」
とお医者さんから言われましたと話されます。
ブログでも紹介しましたが
軟骨には神経が無いのでそもそも痛みを感じません。
ですから軟骨が擦り減って痛みが出ることはありえません。
しかしながらレントゲンで関節の隙間がつぶれて
無くなっている画像を見せられると
妙に説得力があり信じてしまいます。
福岡和白病院の林和生先生が世界変形性関節症会議で
素晴らしい研究をして下さり大きな話題を
集めました。
その内容を簡単にお伝えいたします。
林先生によるとレントゲンの関節変形状態と
痛みには確かな関連は見られない!
レントゲン像で関節の変形が進み関節の隙間が消失しているにも
関わらず痛み無く生活出来るケースがある。
対象的に関節の隙間が残っているにも関わらず
痛みが悪化し手術の適応になったケースを考察した結果。
手術が必要か否かはレントゲンでは判断できず
患者さんからの丁寧な問診で判断するしかないと言っています。
もしご自身が変形性の膝・股関節でまたはお知り合いで困っている方が
いましたらどの様な時に痛みが強くなるかを確認してみて下さい。
①動作時痛:立ち上がりや動き始めに痛みが強く動き出すと軽減する。
②歩行時痛:立ち上がり動き始めより歩いていると痛みが強くなる。
病院で手術が必要と言われ来院する方の殆どが①の動作時痛です。
しかし、これは関節内に問題が有るのではなく
関節周囲の靭帯、筋肉による痛みなので手術は必要なく
的確な手技により軽減もしくは消失します。
②の歩行時痛は関節内の問題として手術の適用とされます。
厳密にはもっと詳しく類似疾患との鑑別や
徒手検査によって判断されることでしょうが
長年の臨床経験から手術を回避することや
レントゲンの変形状態が痛みと比例しないことなど
感じていましたが
林先生の研究により証明されたことは
何よりも患者様方の朗報とも言えると思い
ご紹介させて頂きました。